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『Billabong Pipe Masters』終了!五十嵐カノアが2位!


PHOTO:© WSL/Cestari

タイトルレースが最終戦までもつれ込んでいたここ数年に比べ、ポルトガルでワールドタイトルがジョン・ジョン・フローレンス(HAW)に決定。
波にも恵まれなかったために今一つ盛り上がりに欠けていましが、日本人にとっては’大きな可能性’を感じた今年の『Billabong Pipe Masters』
現地時間12月19日に迎えたファイナルデイでアメリカ国籍ながら日本人の両親を持つ五十嵐カノアが表彰台に上がる快挙を成し遂げました!

ファイナルデイまで本来のパイプラインは姿を現さなかったものの、新しい北西ウネリに程良いトレードウィンドで整ったクリーンなフェイス。バックドアは前日よりもバレルが開きやすく、R5ではフィリッペ・トレド(BRA)が唯一のパーフェクト10をマークしたのを始め、9ポイントが4本スコア。
月曜日ながらビーチには沢山のギャラリーが集まり、ビースティーボーイズのマイクDまで登場するゴージャスな一日でした。



PHOTO:© WSL/Poullenot

前日のR3で2014年のパイプマスター、ジュリアン・ウィルソン(AUS)を倒して開幕戦以来のR4行きを決めた五十嵐カノア(写真上・下)は、7度のパイプマスターのケリー・スレーター(USA)、2016年のランキング2位のジョーディ・スミス(ZAF)と強豪揃いのR4を1位通過。
更にジョーディとのQFでは5人のジャッジの内、3人が10ポイントを出した限りなくパーフェクトに近い9.93をマークして勝利。

SFはケリーのペースで万事休すと思いきや、ここまで一貫してきたプライオリティを持って冷静に波を待つ作戦を崩さず、最後の最後に入ってきたサイズがあるバックドアを思い切りストールしてバレルイン、ミスなくメイクして8.83。僅か0.50ポイント差で逆転に成功。ライブ中継を見ていた方は、きっとこの場面にしびれたことでしょう。

19歳のカノアと44歳のケリーはツアーの最年少と最年長であり、親子ほどの年齢差。大きな経験の差を埋めたのはカノアの武器であるスマートな試合運び、冷静な判断力、そして吸収力。シーズン前のインタビューでパイプラインは得意と言っていたことが早くも証明された形に。


PHOTO:© WSL/Poullenot

ミシェル・ボウレズ(PYF)とのファイナルはセットが止んでロースコア勝負、波数が少ない厳しい戦いに敗れましたが、初のパイプマスターズでファイナル進出という驚くべき快進撃を続けていました。

カノアがQFを勝ち上がった時点でランキングを20位まで上げてCTでのリクオリファイを確定させたため、QSの方は繰り上げされ、同じ「Quiksilver」のチームメイト、ジークことエゼキエル・ラウ(HAW)のクオリファイが決定。パイプラインの目の前にある「Quiksilver」ハウスも大騒ぎに!

カノアの成績がジークのクオリファイを左右することはイベント前から話題になっており、表彰台でのインタビューでもまず始めにその件を聞かれ、「夢が叶ったよ。ヒートを勝ち上がることが同時に友人も喜ばすことになった。彼とは仲が良いし、いつも頭の中にそのことがあったね。SFを勝ち上がったことはボーナスだと思っている。自分自身を誇りに思う。来年が待ち切れないよ!」とコメント。

ジョーディ、ケリー、ミシェルとツアーのトップ選手を相手にした感想は、「自分にとって印象的だったのは、ケリーとのセミファイナル。彼のリズムで、自分はほとんど負けそうだった。後半に大きくてワイドなセットが入った時、これが最後のチャンスだと思ったのさ。そして、そのセットの最後に最高の波がやってきたんだ。’マジか!?’と思わず笑ってしまったよ。テイクオフの後、出来る限りストールしてバレルから出てきた時は震えたね。ビーチに上がってスコアを聞いた時は信じられなかった。ミシェルとのファイナルは本当にクールだったし、一生忘れないよ」と話していました。

2017年はジークの他、レオナルド・フィオラヴァンティ(ITA)、コナー・オレアリー(AUS)と「Quiksilver」の若手がルーキーとして揃い、カノアと共にツアーに新しい風を吹き込んでくれそうです。
また、トリプルクラウンのランキングでもカノアの快進撃は大きな影響を与え、ジョーディとケリーを倒したことで、ジョン・ジョンの3度目の栄冠が決定。


PHOTO:© WSL/Cestari 

ファイナルでカノアとのクロスゲームを制してタヒチアンとして初のパイプマスターの称号を手に入れたミシェル(写真上・下)
タヒチで鍛えたバレルのスキルとツアーでもトップクラスのパワフルなターンでスコアを伸ばし、2014年のブラジル戦以来、3度目の優勝を決めました。

「優勝したなんてまだ信じられないね。この場所に立てて嬉しい。昨年は怪我に泣かされ、カムバックするのも難しかった。ほとんどツアーを諦めていたほどさ。あの時、ホームで本当に熱心にトレーニングを重ね、ずっと前向きな気持ちで過ごしたんだ。復帰したヨーロッパレッグではフランス戦の後に子供が生まれるはずだったので、一度ホームに戻ったんだけど、それが延びてポルトガル戦の後になった。だから、ヨーロッパと家を何度も往復することになって大変だったよ」


PHOTO:© WSL/Poullenot

昨年は怪我で2戦欠場し、復帰後も結果を残せず、2009年からのキャリアで最低のランキング21位に終わりましたが、子供を授かったポジティブなエネルギーと共に今シーズンは徐々に調子を取り戻し、今回の優勝でランキング6位まで上昇。

「立ち止まることはしないよ。これでシーズンが終わったけど、すぐに新しいシーズンが始まる。今晩、ビッグパーティーを開き、すぐに気持ちを入れ替えるよ。とても疲れた。でも、今年は終わり。’Volcom Pipe Pro’に参加するかはまだ分からない。この優勝は自分にとってとても大きいね」

表彰台ではこのイベントの正式名称『Billabong Pipe Masters in Memory of Andy Irons』のアンディの妻、リンディと息子のアクセルにレイをかけられ、弟のブルースにジェリー・ロペスがシェイプしたサーフボード型のスペシャルトロフィーを渡されたミシェル。
ハレイワは2008年、2013年、サンセットは2014年に優勝経験があり、今回のパイプラインでトリプルクラウンの全ての舞台で優勝。
これはアンディ、デレク・ホー、ジョエル・パーキンソンに並ぶ素晴らしい記録でもあります。

これで2016年の全てのスケジュールが終了しましたが、1月初めにはオーストラリアでジュニアの世界一を決める『World Junior Championship』が開催。
また、BWT(ビッグウェーブワールドツアー)の北半球レッグ、ポルトガル「ナザレ」での『Nazaré Challenge』が日本時間12月20日の夕方から開幕しています!


PHOTO:© WSL/Cestari

『Billabong Pipe Masters』結果
1位 ミシェル・ボウレズ(PYF)
2位 五十嵐カノア
3位 コロヘ・アンディーノ(USA)、ケリー・スレーター(USA)
5位 ジェレミー・フローレス(FRA)、ジョン・ジョン・フローレンス(HAW)、ジョシュ・カー(AUS)、ジョーディ・スミス(ZAF)

WSL Samsung Galaxy Championship Tour
2016年最終ランキング
1位 ジョン・ジョン・フローレンス(HAW) 59,850pt
2位 ジョーディ・スミス(ZAF) 46,400pt
3位 ガブリエル・メディナ(BRA) 45,450pt
4位 コロヘ・アンディーノ(USA) 44,150pt
5位 マット・ウィルキンソン(AUS) 39,500pt

WSL公式サイト

『Vans Triple Crown of Surfing』公式サイト

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